介護が必要になるきっかけ「生活不活発病」

高齢者が介護が必要になるきっかけは様々です。最も多いのが認知症、次いで脳血疾患、そして衰弱、骨折と続きます。実はこれらの、介護のきっかけ上位の病気や症状は、生活不活発病から始まっている可能性があります。生活不活発病とは体を長い間動かさなかったがために、体の機能が低下してしまう病気のことです。廃用症候群とも呼ばれ、高齢者の間では一般的な病です。

生活不活発病によって引き起こされる他の病気は多くあります。介護のきっかけ1位になっている認知症にも大きく関係しています。生活不活発病になり、体が自由に動かなくなると、寝たきりの生活になりがちです。そうなると筋肉や関節が刺激を受けることが無く、脳が活性化するタイミングが少なくなってしまうのです。また他人とコミュニケーションを取ることも少なくなり、脳の機能は衰えていく一方になってしまいます。

衰弱や骨折・転倒も生活不活発病と関連付けることができます。生活不活発病になり体の筋肉が弱まると、立っていることすら億劫になることがあります。そうして寝たきりの体勢が多くなり、体全体が衰弱していくのです。体の筋肉や関節が弱まっていると、当然転倒しやすくもなります。弱まった体は転倒の衝撃を受け止めることができず、ケガや骨折につながります。

生活不活発病は介護のきっかけの中核となっている病気といってもいいでしょう。しかし、逆にいうと、生活不活発病の予防が様々な病気の予防につながるとも解釈できます。